さて、少し回り道をしたが、ようやく僕らが今立っている場所にたどり着いた。僕たちはこういう場所でデザインを考え、デザインを行っている。デザイナーは単に作る技術ではなく、それは足早に振り返った歴史からでも確認できるはずである。むしろ耳を澄まし、目を凝らして、生活の中から新しい問いを発見していく営みがデザインである。人が生きて環境をなす。それを冷静に観察する視線の向こうに、テクノロジーの未来もデザインの未来もある。それか緩やかに交差するあたりに、僕らはモダニズムのその先を見通せるはずなのだ。
----原 研哉
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